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異文化看護データベース

タイ王国 / Kingdom of Thailand

言語

タイ語(外務省HP)

民族

大多数がタイ族。その他、華僑、マレー族、山岳少数民族等(外務省HP)

宗教

仏教(上座部仏教) 95%、イスラム教 4%(外務省HP)

食文化のタブーなど

タイでは食に関するタブーは少ない。なかには仏日に菜食する信者、ある種の魚を食べない職業集団は存在する。
(「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会)

その他の風習・文化

  • 王室を非常に尊敬している。そのため、タイ王室に対する不謹慎な言動は慎むべきである。
    タイ国政府観光庁)
  • タイの人々は敬虔な仏教徒であり、家族や友達を大切にし、目上の人に接する時は常に敬意の心を忘れない。
  • タイ人にとって足の裏は人体の中で最も不浄な場所とされており、座っている時や寝る時に人に足を向けたり、足で物を指したりすることは避けるべきである。
  • 左手はトイレで使うものとされている不浄の手。握手するときや人に物を渡すときは左手は決して使うべきではない。
  • 人の足をまたぐのはとても悪いこととされている。
  • 頭は体の中で一番高い部位にあり、精霊が宿る場所とされている。そのため、タイ人の頭を触ってはいけない。小さな子供であっても同様。かわいいからといって頭をなでてはいけない。
  • タイ人を叱るときは人前で叱ってはいけない。

タイ王国.com)

風俗、習慣、健康等

1. 王室関係
タイ国民の国王、王族に対する尊敬の念は深く、刑法上「国王、王妃、皇太子、摂政に対する罪」として刑罰が設けられており、例えば王室を侮辱した場合、3年以上15年以下の懲役に処せられるほか、社会的にも厳しい批判を受けることにつながる。

2. 仏教関係
タイの法律には宗教に関する規定が多く、例えば寺院や儀式を侮辱したり、妨害したりする行為は厳しく罰せられる。仏像は例え壊れたものであっても神聖なものとされている。仏像の国外持ち出しは禁止されており、無断持ち出しは罰せられる。また、僧侶は上座部仏教の教義に則し、絶対に女性(子供を含む)に触れたり、触れられたりしてはいけないことになっている。
身体のうち、頭部は神が宿る場所として神聖視されており、頭部に触れることはタブーとされている。子供の頭をなでることもトラブルの原因となる。また、足は不浄とされているので、足裏を第三者に向けて座ったり、足で人を指すような仕草をしたりするのは避ける。

3. 健康上の留意点
飲料水:水道水は、水道管の劣化による汚物の混入、貯水タンクの汚染等により、時として大腸菌等に汚染されている場合があるので、水道水を飲用する場合は浄水器を通し、十分に煮沸させる必要がある。

注意を要する病気:

(1)

デング熱
バンコクを含む全土で、ネッタイシマカ又はヒトスジシマカを介して、毎年多くの感染者・死者が出ている。ワクチン等の有効な予防方法はなく、感染後も特効薬がないため、長袖シャツ、長ズボンを着用する等、蚊に刺されないようにすることが重要。

(2)

マラリア
バンコクで感染する可能性はまずないが、ミャンマー及びカンボジアとの国境地帯ではマラリア感染の原因となるハマダラカに刺されないように注意する必要がある。

(3)

日本脳炎
蚊を媒介して感染するが、予防接種により大流行はみられなくなっている。

(4)

感染性腸炎、食中毒
タイでは極めて多くみられる感染症。生水(氷)、生ものの摂取は避ける必要がある。

(5)

HIV
HIVの感染者・患者は約100万人と推定されている。性産業従事者はHIVの感染率が高く、また、性病やB型肝炎の感染率も高いと言われている。

(6)

狂犬病
狂犬病はバンコクを含むタイ全土で確認されており、毎年死亡者が出ている。

(7)

その他の病気
インフルエンザ、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎、結核等は日本より多くみられる。

医療環境:
バンコクの代表的な私立病院の医療設備は、日本の病院と比べても遜色なく、優秀な医師も多数勤務している。また、日本に留学経験のある医師・歯科医師も多く、堪能な日本語で親身になって相談に乗ってくれる。私立病院の中には、日本語通訳が配置されている所もあり、日本語での問い合わせも可能。地方の主要都市の代表的な私立病院も、医療設備はおおむね整っている。

妊娠・出産に
関する風習

様々な昔からの言い伝えがある。例→妊娠中:「妊婦さんの顔が黒くなると男の子」「妊婦さんが化粧っけがないと男の子」「妊婦さんのおへそが裏返ると男の子」「つわりの時期が過ぎてもすっぱいものが食べたくなると女の子、甘いものが食べたくなると男の子」
世界何でも子育て事情)

育児に関する風習

  • ベビーパウダーを顔や首が真っ白になるまでつける子が多い。
  • タイでは紙オムツが高いため、まだ布オムツを使用することが多い。質は日本よりはよくない。

(のほほんタイ暮らしblog)

終末期・葬式に
関する風習

  • 基本的には3日間または5日間行われる。(奇数回)
  • 死亡した翌日法衣をまとった僧侶が来て、遺体の手首に女性の小指くらいの太さの綿の紐を結び僧侶がその紐を引き先導しながらお寺まで運ぶ。葬祭所で棺おけの中に移し、もう一度化粧を行い最後にランの花で遺体をすべて包み込み最後の別れをする。4人の僧侶がお線香をあげ、読経を行う。僧侶が帰った後に、参列者に自宅で作ってきたお料理を振る舞い感謝の意を表す。葬儀最終日の前日は遺体の焼却日で、9人の僧侶がきて読経を行う。焼却前には自宅から遺体を運び出したのと同じ僧侶が先導し同じく綿の紐で引いて焼却場の周りを3周して焼却場に運ぶ。最後の読経をし、とうもろこしの葉で作った花を参列者に渡し焼却前の遺体に添えてもらい最後のお別れをする。 最終日、遺灰が運び込まれ、重要な骨から順番に並べ各部分の骨の説明をされその後骨壷に入れる。骨壷の中に骨と共に生花をいれ一番上に頭蓋骨の一番重要な部分を載せて蓋を閉める。その他の骨は海に散骨することもある。
    タイ人の日常生活)
  • エイズホスピスがある。タイのエイズホスピスは寺院で行われており,医療(看護・介護)よりも安らぎやスピリチュアル・ペインを取り除くことに重点が置かれている。よって看護・介護のマニュアルのようなものもなく、ボランティアや観光客にまで解放的である。ケアというのも清拭やマッサージ、そしてその人に寄り添うことが多くを占める。それも、看護師や介護者だけではなく、ボランティアや軽症状のエイズ患者が行っていることもある。
    (飛高千光寺HP・スピリチュアルケア)

医療に関する風習・タブーなど

医療環境は地域や医療施設によって大きく異なるが、主要都市にある代表的な私立病院や公立基幹病院の特定領域の医療水準は概ね良好である。
在タイ日本国大使館HP)

教育

小学校:6年間(義務教育、就学率95%だが、ドロップアウト率は高い。)
中学校:3年間(進学率50%)
識字率:男子93.7%、女子89.4%
その他、高等学校3年間、大学4年間(国立大30、私立大26)
データは全て1991年

「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

国家保健・医療

  • Primary Health Careに先立ち、地域公衆衛生活動を推進してきた。近年は、医療システムの変革を指向している。
  • タイ国保健省は、事務次官官房(1)保健局(2)感染症対策局(3)医科学局(4)医務局(5)食品薬務局(6)精神保健局を設置。保健局が、母子保健・家族計画・栄養・飲料水・歯科衛生・学校保健など、主として予防医学を担当している。感染症対策局は、エイズ・性病・マラリア・ハンセン病
  • 結核などの予防・治療・管理と予防接種事業を担当。医科学局は全国に12局あり、地域医科学センターを管理し、予防・診断・治療に必要な検査サービスや研究指導をしている。医務局は非感染症疾患の保健医療サービスなどを実施。
  • 地方では、75県に県保健局があり、地域保健行政を担当。
  • 群レベルでは、群保健事務所や保健所があり、衛生士・助産婦・看護婦が最低各1名常駐し、簡単な疾病・創傷・予防接種・出産等の介助業務を行う。
  • 医療保障を中心とした社会保障制度がある。1999年では国民の80%が加入。

「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

死因

1位:循環器疾患(95.0)
2位:事故(74.7) 
3位:悪性新生物(50.9)
4位:呼吸器疾患(38.2)
5位:感染症・寄生虫症(29.6)
6位:消化器疾患(17.7)
7位:神経疾患(13.7)
8位:生殖器疾患(11.3)
9位:内分泌・代謝疾患(7.8)
10位:自殺(7.2)
( )内は人口10万あたりの死亡率(1995)

  • 近年、疾病構造が先進国化しており、生活習慣病が上位を占め、都市化・工業化による事故死が増加傾向。
  • 他方、感染症や下痢症、呼吸器疾患による乳幼児死亡、妊産婦死亡は大きく減少。
  • エイズが大きな問題で、1999年累積感染者128606名、死亡35412名。男女比は3.7:1、年齢では20-39歳が高い。感染ルートは異性間性交渉(82.1%)。
    「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

出産について

妊産婦死亡率(出生10万対):43.9
乳幼児死亡率(出生1000対):25.0
施設分娩率(%):95.4
産前クリニック4回訪問率(%):83.4
産後クリニック利用率(%):56.4
20歳以下分娩率(%):11.2
データは1997年

妊産婦死亡率の低下は母子保健活動の進展により、産前産後ケアや施設分娩が広く普及したことによると思われる。
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

予防接種

BCG:99
DTP1:99
DTP3:99
B型肝炎:98

麻疹:98
破傷風:91
ポリオ:99

(2011) (WHO)

医療施設

国公立

  • 大学医学部教育病院(10)
  • 総合病院(104)
  • 地域病院(17)
  • 専門病院・研究所(49)
  • 群病院(708、約30床、医師1-2名常駐)
  • 薬局(18153)

民間医療施設

  • 病院(436、34973床、31.4%はバンコクに)
  • 診療所(10407)
  • 伝統医療診療所(462)

国公立対民間ベッド数(76.9対23.1%)
「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

医療職種

  • 医師 (14181、人口比率1:4180)
  • 歯科医師 (2920)
  • 薬剤師 (5867)
  • 大卒看護師 (54262)

「世界の公衆衛生体系」1999年 財団法人日本公衆衛生協会

合計特殊出生率

1.6 (2010)(WHO)

乳児死亡率
(出生千対)

11 (2010)(WHO)

平均寿命

男:66 (2009)(WHO)
女:74 (2009)(WHO)